虫歯の予防の成分【4章-2】

虫歯予防に効果的な成分とその食品とは?

虫歯予防に効果的な成分として、以下の4つの成分をご紹介いたします。

・テアフラビン
・オーバルゲンDC
・キシリトール
・ロイテリ菌

では、それぞれの成分の効果についても解説していきます。

それぞれの成分の効果

テアフラビン

テアフラビンには、虫歯の一番の原因であるミュータンス菌の殺菌効果、プラークの抑制効果があります。

テアフラビンは紅茶に含まれるポリフェノールです。
紅茶ポリフェノール(テアフラビン類)がプラーク生成にどのような影響を与えるかの検証(※1)では、紅茶ポリフェノール(テアフラビン類)がプラーク生成を97〜98%抑制するという結果が出ています。

テアフラビンは口内の細菌を殺菌し、プラークの生成を抑えてくれるため、歯周病や虫歯の予防として効果が期待されています。

<テアフラビンが含まれる食品>
・紅茶

オーバルゲンDC

オーバルゲンDCには、虫歯菌の酵素に対して抗体があり、虫歯の原因菌であるミュータンス菌を減少させる効果があります。

研究(※2)では、オーバルゲンDCが含まれたトローチを1日5回摂取することで、ミュータンス菌の減少が確認されました。

ミュータンス菌を減少させることでプラークの形成を抑えられるので、オーバルゲンDCには虫歯の予防が期待できます。

<オーバルゲンDCが含まれる食品>
・オーバルゲンDCが処方配合されたサプリメントなど

キシリトール

キシリトールとは、果物や野菜に含まれる天然甘味料です。

「キシリトールが虫歯予防に良い」とよく聞きますが、その理由は以下の2つです。
・キシリトールでは酸をつくれない
・唾液を分泌させる作用

そして、キシリトールを摂取するときのポイントは3つあります。

・1日3回毎食後
・間食後や就寝前
・成分が多く含まれているガムやタブレット

何かを食べた後や寝る前に、キシリトールが多く含まれたガムやタブレットを摂取することでも効果があるので、実践してみてください。

画像出典:総合病院岡山病院HP「虫歯予防におけるキシリトールの効果」
https://okayama-kyoritsu.jp/shinryouka/shika/toku/20200118.html

<キシリトールが多く含まれる食品>
・レタス
・ラズベリー
・ほうれん草
・キシリトールが含まれたガムやタブレット

ロイテリ菌

近年、虫歯予防として話題になっている成分の「ロイテリ菌」。
ロイテリ菌とは、スウェーデンの産学連携で研究されている乳酸菌で、ヒトの母乳由来の成分です。

ロイテリ菌を使った虫歯予防の研究では、ロイテリ菌を投与したグループの症状が軽度になったという結果が出ています。

ロイテリ菌の口、胃腸、免疫、感染症などに関するデータも多く、母乳由来の成分なので、子供がいる方でも安心して摂取することができる乳酸菌です。

<ロイテリ菌が含まれている食品>
ロイテリ菌入りのヨーグルトやタブレットなど

【参考文献】
※1:3 Hattori M, Kusumoto IT, Namba T, Ishigami T, Hara Y., “Effect of Tea Polyphenols on Glucan Synthesis by Glucosyltransferase from Streptococcus mutans” Chem. Pharm. Bull. 38(3), 1990, pp. 717-720.
※2:千葉 逸朗, 磯田 理絵, 磯貝 恵美子, 廣瀬 公治, 中埜 拓, 松塚 尚人, ヌグェン・ バン・サー, ボランティアを用いた口腔内デンタルプラーク形成への卵黄抗体製品Ovalgen DCの効果判定, 小児歯科学雑誌, 2005, 43 巻, 2 号, p. 327
https://www.jstage.jst.go.jp/article/jspd1963/43/2/43_327/_article/-char/ja/
・ADI.G「ロイテリ菌とは?」https://adig.jp/projects/what_is_reuteri/