予防対策① 歯磨き、舌クリーナー +うがい薬(洗口液)【3章-2】

歯周病、虫歯、口臭の予防対策として、誰でも自宅でできるのはプラークや舌苔の除去です。
歯磨きや舌クリーナー、うがい薬などで口腔内のプラークや舌苔などの細菌を取り除くことで、症状の進行を抑えることができます。

歯磨きでプラークを除去

多くの方は出かける前と寝る前、もしくは毎食後に歯磨きをする習慣がありますよね。
しかし、正しい歯磨きを実践している方は少ないのではないでしょうか?

磨き残しがあると、食べカスやプラークが口腔内に引っ付き、歯周病や虫歯がどんどん進行していきます。

磨き残しをなくすためにも、意外と知らない正しく歯磨きのポイントを押さえて、食べカスやプラークをできるだけ除去するようにしましょう。

歯磨きでの4つのポイント

それでは、歯磨きをするときに気をつけたいポイント4点をご紹介します。

①ブラシの角度

歯磨きをするとき、ブラシは歯に対して直角に当てるようにしましょう。また、歯周ポケット部分には45度に傾けて歯と歯肉の間まで掃除していってください。

②すすぎは1回

歯磨き後に何度もすすぎをしてしまう方がいますが、20秒ほどのすすぎ時間で1回のみすすぎのみすすぎをするようにしましょう。何度もすすぎをすると、歯磨き剤に含まれるフッ素などの成分が流されてしまう恐れがあるので注意しましょう。

③1日3回、毎食後

歯磨きのタイミングは1日3回、食後すぐにすることが効果的です。そして、できれば寝る前にも歯磨きをして、寝ている間の菌の増殖を抑えるようにしましょう。

④1本の歯に20回以上

歯を磨いているときは、1本1本の歯に20回以上細かく磨き、食べかすを除去するようにしましょう。また、磨く順番も決めておけば磨き残しを防げるのでおすすめです。

特に、歯と歯の間や奥歯の噛み合わせ、歯茎の境目などにプラークが溜まりやすいので、意意識して磨くようにしましょう。

また、歯磨き剤はフッ素入りのものを選ぶことをおすすめします。
フッ素には歯のエナメル質を守る効果があるため、虫歯予防につながります。

食事後に歯磨きすることで食べカスやプラークが減り、歯周病や虫歯になりにくくなります。できれば、デンタルフロスなども活用して、しっかり口腔内ケアを行いましょう。

舌クリーナーで舌苔を除去

口臭の原因となる舌苔(ぜったい)を取り除くために、舌磨きがおすすめです。
しかし、歯磨きのついでに歯ブラシで舌磨きしてしまうと、舌苔を取り除きすぎてしまい、舌を傷つけてしまうので注意が必要です。

そこで、舌磨き専用の舌クリーナーを使ってみてください。
舌磨きの方法は、舌クリーナーで舌苔の目立つ部分、ヤニ汚れが気になる部分を優しく磨くだけでOKです。

ただし、舌の裏側を磨くと傷や口内炎ができてしまうため、裏側の舌磨きは控えてください。

そして、舌クリーナーだけでなく、舌磨き専用のジェルを使うことも舌磨きをする際におすすめです。

うがい薬の使用には注意が必要!

歯磨きができないときや口臭が気になったときに、うがい薬を使って口臭対策を行う方もいるのではないでしょうか?

うがい薬(洗口液)を使う際は、以下の3点を注意してください。
・アルコールフリーの商品を選ぶこと
・多用はしないこと
・歯磨きの補助として使用すること

アルコール入りのうがい薬は、うがいの後にスッキリした気分にしてくれますが、実は口腔内乾燥を招く原因にもなります。そこで、アルコールが含まれていないうがい薬を選ぶようにしましょう。

また、うがい薬は手軽にできる方法ではありますが、多用してしまうと、口腔内の常在菌まで一緒に洗い流してしまう恐れがあります。そのため、多用せず、必要なタイミングで使用することがポイントです。

もう一つ覚えておきたいのが、うがい薬は一時的な口臭の対策にはなりますが、根本的な口臭や口腔内環境の改善にはなりません。そのため、あくまで歯磨きの補助として使用するようにしましょう。

【参考文献】
倉治ななえ「図解むし歯 歯周病の最新知識と予防法」日東書院,2015年発行