人生における歯の価値と口腔衛生のトータルケア【1章-1】

健康に過ごしたいなら、「歯」を大事にしよう

「これからの人生も健康に楽しく過ごしていきたい」
そう願っている方は多いのではないでしょうか?

身体の健康を第一に考えている方は、「歯」を大事にしてみてください。
実は、歯の健康状態は、全身の健康や寿命に関係しているのです。

歯の本数が多い人ほど健康で長生きできる!

日本を含む、世界各国での研究で、歯の本数が多い人は認知症や寝たきりになる割合が低く、長生きするというデータが発表されています。

65歳以上の日本人を対象とした調査(※1)では、残った歯の数が20歯以上の人に比べて、10〜19歯の人は1.3倍、0〜9歯の人は1.7倍に死亡率がアップすることが判明しました。

つまり、歯の本数が多い人ほど死亡率が低く、長生きしているということです。

口腔衛生の改善で予防できる全身疾患がある

口腔ケアのメリットは、歯周病や虫歯などの口の中の病気を予防するだけではありません。口内の細菌をコントロールすることで、一見関係なさそうな全身疾患の予防にもつながります。

歯周病と全身疾患の関係

口腔内疾患には、虫歯や歯周病などがあります。
特に、歯周病が原因で起こる全身疾患は多いため、注意しなければいけません。

歯周病と関係している全身疾患※2
・狭心症
・心筋梗塞(しんきんこうそく)
・脳梗塞(のうこうそく)
・糖尿病
・誤嚥性肺炎(ごえんせいはいえん)
など

画像出典:日本臨床歯周病学会「歯周病が全身に及ぼす影響」
https://www.jacp.net/perio/effect

歯周病が発症することで、これらの全身疾患が発生するリスクがあります。

しかし、逆にいうと、歯周病を予防することで全身疾患のリスクを抑えることができるので、日々の口腔内ケアをしっかり行い、歯周病を防ぐことが重要と考えられます。

歯周病と妊娠の関係

妊娠している女性は、歯周病による低体重児早産に気をつけなければいけません。

妊婦が持っている歯周病菌は血液を通り、胎盤から胎児に感染するといわれており、これが低体重児や早産の原因の一つと考えられています。

そのため、妊婦の方は低体重児早産を避けるためにも、妊娠性歯肉炎(歯周病)の予防を徹底しましょう。

画像出典:日本臨床歯周病学会「歯周病が全身に及ぼす影響」
https://www.jacp.net/perio/effect

長生きと病気の予防のためにも、「口腔内トータルケア」を!

歯をケアすることは、長生き・全身疾患のリスクを減らすためにも重要なことです。
また、歯があることで毎日の食事や人とのコミュニケーションを楽しむことができます。

では、歯周病や虫歯を防ぎ、歯を健康に保つためには何をすればいいでしょうか?
それは、日々の口腔衛生のトータルケアです。

たとえば、食後の歯磨きやうがい薬、サプリメントの併用などが口腔衛生トータルケアの一つの例です。

人生において、歯はお金を払ってでも守る価値のある身体の一部です。

「今まで口腔内ケアを気にしてこなかった」という方に向けて、本サイトでは必要な口腔内ケアの情報を提供しているので、参考にしてみてください。

【参考文献】
※1:「健康長寿社会に寄与する歯科医療・口腔保健のエビデンス2015」 44〜57ページ
https://www.jda.or.jp/dentist/program/pdf/world_concgress_2015_evidence_jp.pdf
※2:日本臨床歯周病学会「歯周病が全身に及ぼす影響」
https://www.jacp.net/perio/effect