歯周病の原因【2章-1】

歯周病の第一の原因は「プラーク」

歯周病の第一の原因はプラークです。
プラークとは、「歯垢」とも呼ばれている歯の表面についている細菌のかたまりです。色は、白色または黄っぽい白色をしています。

1mgあたりのプラークには約1〜2億もの細菌が棲みついており、その細菌の中に歯周病菌や虫歯菌も含まれます。

プラークは歯磨きで取り除くことが可能です。ただし、取り除かれないまま2週間程度経過すると、歯石(しせき)となり、歯磨きでも取れなくなってしまいます。

そのため、歯磨きや歯科検診で定期的にプラークを除去するように心がけましょう。

画像出典:「図解むし歯 歯周病の最新知識と予防法」

歯周病の進行に関係するリスクファクター(因子)

歯周病になる原因は、磨き残しで残ったプラークだけではありません。

間接的に関係するリスクファクター(危険因子)が原因で、歯周病が進んでしまうことがあります。

歯周病の進行に関係するリスクファクター(危険因子)
・喫煙
喫煙することで歯茎の血行が悪くなり、結果的に歯周病の抵抗力を弱めてしまうため、歯周病になるリスクがあります。
・歯ぎしり、食いしばり
歯ぎしりや食いしばりは、歯に強い負担がかかって炎症が起こることで歯周病に発展するリスクがあります。
・口呼吸
口呼吸をすると口腔内が乾燥し、プラークが溜まりやすい口腔内環境になってしまう危険性があります。
・ストレス
ストレスがかかると口腔内の乾燥しやすく、口腔内の環境が悪化して歯周病ができやすい口腔環境になります。

上記の他にも、
・乱れた食習慣
・糖尿病 
なども歯周病に関係するリスクファクターの一つです。

歯周病は生活習慣病の一つでもあるので、改善のためには生活習慣の見直しが必要です。

歯周病の進行

歯周病の初期状態を歯肉炎といい、症状が進行したのが歯周炎です。そして、この2つを総称して「歯周病」と呼びます。

歯周病の進行は、プラークが溜まるところから始まります(歯肉炎)。そこから、溜まったプラークが歯肉溝に入り込み、歯周組織を破壊しながら歯肉ポケットの奥へ進んでいきます(歯周炎)。

歯茎に膿みができる、歯がグラグラするなどの症状が出てくると、歯周炎のサインです。

最悪の場合、歯周炎によって歯が抜けてしまうこともあるので、日々の対策や歯科での検診はしっかり受けておくようにしましょう。

【図:「歯周病の進行」】

図は「倉治ななえ「図解むし歯 歯周病の最新知識と予防法」電子書籍ページNo.373,日東書院,2015年発行」から改変

参考文献:倉治ななえ「図解むし歯 歯周病の最新知識と予防法」日東書院,2015年発行