リラックスして眠るのにおすすめのお茶!ベスト3&全種紹介

■リラックス&快眠で日頃の疲れを癒そう!よく眠るためのお茶習慣!

ストレス社会と呼ばれる現代。ストレスは交感神経を刺激して心身に興奮、緊張をもたらします。何か慣れないことをする時や負けることが出来ない戦いなどの時に心身が緊張するのも同じく交感神経の刺激です。日頃からそうした緊張状態にあると、夜になってもリラックスすることができず、心身が緊張した状態のまま、眠りについている人も少なくありません。すると眠りが浅くなり、体が休まらないため、疲れはたまっていく一方です。疲れが蓄積されると、さまざまな心身への悪影響を及ぼします。夜ぐっすりと眠るためには、まず寝る前に体をリラックスさせること。できれば普段から緊張状態を和らげることができているとなお良いでしょう。
そのために健康茶の習慣はおすすめです。健康茶の中にはイライラを抑えたり、リラクゼーション効果をもたらす成分を含むものが多数あり、ストレスによる興奮状態を鎮めてくれます。特に寝る前の数時間前に飲むことで、快適な夜の眠りをサポートしてくれるでしょう。
ここでは特にリラックスと快適な眠りに役立つお茶をご紹介していきます。

■リラックスして眠るならこれ!おすすめのお茶 ベスト3

1位 アキノワスレグサ茶

◎特徴:

アキノワスレグサは、九州、沖縄、台湾を原産とするユリ科の多年生葉野菜です。このお茶が琉球王朝の王族が寝付けないときに愛飲していたとされ、現在は睡眠サプリの原料として使われるほどの安眠効果を持つ成分が注目されています。

◎リラックスや快眠への有効成分:

トリプトファン、チロシン

◎有効成分の作用:

アキノワスレグサに含まれるトリプトファンは体内で合成できない必須アミノ酸のひとつで、体内ホルモンであるメラトニンの元となる成分。メラトニンは別名「睡眠ホルモン」と言われ、眠りを促す働きがあります。また、チロシンは神経伝達物質であるドーパミンとノルエピネフリンの生成において重要な役割を果たす必須アミノ酸で、健康的な脳機能とストレス反応をサポートすることで、質の良い睡眠につなげます。そのため不眠症の方にもおすすめのお茶です。

◎研究データ:

・アキノワスレグサの粉末未精製物を餌に混ぜ、
マウスに長期投与した結果、昼夜問わず鎮静効果が見られました。
特に休息期初期に大きな鎮静が見られた点から、
餌を食べてから数時間後に最も大きな鎮静が起きる、
または休息期初期に鎮静が大きく表れることが観測されました。
この行動は長期間において繰り返し観測されました。

・ヒトのモニター試験でも睡眠効果が公表されています。

(出典:日本睡眠学会第32/33回定期学術集会発表論文)

2位 ジャスミン茶

◎特徴:

中国で緑茶やウーロン茶などにさまざまな花を加えて香りづけしたお茶を「花茶」と呼びますが、ジャスミン茶はこの花茶の一種。主に緑茶にジャスミンの花で香りづけしたものが多く、日本でも一般的な香り高いお茶。

◎リラックスや快眠への有効成分:

ベンゼルアセテート

◎有効成分の作用:

ジャスミンの香り成分であるベンゼルアセテートは、鼻の中の細胞から直接脳に届き、右脳を活性化させる働きがあります。その結果、自律神経の緊張がほぐされ、リラックス効果を高めることが分かっています。

◎研究データ:

ジャスミン茶を茶葉 25gに対して沸騰水 1 リットルで 1 分間抽出し、それを 20 倍に希釈したものを用意。また比較用として水を用いた。21~36 歳の男女 10 名を被験者として、香りへの嗜好が高い群と低い群とに分け、朝食摂取 2 時間後から実験を開始。
両群ともに香りの呈示 20 分後より心拍数が低下しはじめ、その後、約 50 分間維持された。また交感神経活動を反映する成分は、両群とも水と比較して変化は認められませんでしたが、副交感神経活動を反映する成分は、両群とも香りの呈示 20 分後から上昇し始め、嗜好の高い群の方が低い群よりも長時間維持されました。POMS による心理評価では、両群ともに緊張、抑うつ感、怒り、疲労感を表す尺度が低下する傾向が認められました。
以上のことから、ジャスミン茶の香りには心拍数を低下させ、副交感神経活動を亢進させる作用があり、鎮静効果があることが確認されました。


(出典:「ジャスミン茶に含まれる香気成分が自律神経活動に及ぼす影響」黒田恭子、井上尚彦、杉本明夫他<京都大学大学院、株式会社伊藤園>日本味と匂学会誌 2002)
※文献・図解参考

3位 ギャバロン茶

◎特徴:

ギャバロン茶は1986年に農林水産省の茶葉試験場で、緑茶の生葉を新鮮に保つための研究中に、偶然誕生した高機能のお茶です。通常の緑茶の10倍近いGABA(ギャバ)が含まれており、緑茶の有効成分に加えて、GABAの作用が様々な効能をもたらします。

◎血圧を下げる有効成分:

GABA(γーアミノ酪酸)

◎有効成分の作用:

GABAは、脳に存在する抑制系の神経伝達物質として、ストレスを和らげ、興奮した神経を落ち着かせる働きをしています。ドーパミンなど興奮系の神経伝達物質の過剰分泌を抑えて、リラックス状態をもたらしてくれます。

◎研究データ:

・ギャバロン茶に含まれるGABAは100gあたり100~200mg。(=緑茶の10~20倍)
(農林水産省野菜・茶業試験場茶利用加工部)

・①昼間にGABAを摂取した1週間、②昼間に偽薬(プラセボ)を摂取した1週間、男女8名に2週間の実験を行なった。
通常の環境下で、それぞれ脳波計測やアンケートを行い、摂取前の値を「0」として、GABA摂取とプラセボの結果を比較。
就寝時間や起床時間などは特に定めず、各自昼間に摂取する以外は通常通りの生活を送る。
その結果、GABAを摂取した状態では、 GABAを摂取していない状態より
・5.19分早く睡眠に入ることができた。
・25%多く、最も深い眠りの出現を確認することができた。(脳波で測定)
・ 熟睡しているときに出る脳波であるδ波量が有意に増加
これらの結果から、GABAがスムーズな寝つき、深く熟睡するのを助けることが分かった。
(出典:山本由華吏ら, 脳と精神の医学, 10, 401-409, 1999)
http://www.gabastress.jp/wp-content/uploads/2018/03/20180319-03-01.pdf

■リラックスして眠るのに効果のあるその他のお茶

アスナロ茶
ヒノキ科に属するアスナロは本州から九州まで幅広く分布する常緑高木。アスナロ茶の香り成分であるα-ピネンは針葉樹に多く含まれる成分で、森林浴で味わえるすがすがしい成分のひとつで、このお茶も森林浴とおなじくリラックス効果の期待できるお茶です。

アマチャヅル茶
アマチャヅルは日本全国の山地や藪に自生するウリ科の多年草で、お茶はその名のとおり糖質が多く甘いのが特徴。アマチャヅルには70種類以上のサポニンが含まれており、そのなかには神経の興奮を鎮める作用を持つものが多く、イライラを解消してリラックスするのに最適なお茶です。

エゾウコギ茶
エゾウコギは北海道に自生する落葉低木で、その葉と根がお茶に使われます。エゾウコギに含まれるイソフラキシジンには、副腎皮質ホルモンの分泌を促す働きがあり、自律神経の乱れを修復する効果があります。エレウテロシドBはストレスを解消する作用があり、相乗効果で心身のリラックスに良いお茶です。

緑茶
緑茶に含まれるテアニンには脳をリラックスさせるα波を増やすという働きがあります。更に、特有の香りと味にもリラックス効果があることが分かっています。ただし、カフェインが含有されているので飲むと症状が悪化するという場合には控えるようにします。

トウモロコシの髭茶
トウモロコシの髭には利胆作用がありますが、胆汁には脂質の分解の他に、ストレスを軽減し、全身の緊張を緩和するという効果もあります。ストレスからくる緊張で体がこわばってしまうという方には特におすすめのお茶です。

菊花茶
菊花茶は菊の花から作られるお茶で、平安時代ころから王族の宮廷を中心に薬用として利用されるようになりました。特有の爽やかで甘味のある香りは、ストレスを緩和するほか、血流を改善する働きもあり、ダブルでリラックス効果を高めてくれるお茶です。

パッションフラワー
パッションフラワーは、日本では花の形からトケイソウと呼ばれる草で「天然の鎮静剤」といわれるほど、強い鎮静作用を持ちます。葉に含まれるアルカノイドとフラボノイドに精神を安定させてリラックスさせる作用があり、不眠症にも利用されています。

ローズヒップ
ローズヒップティーは、バラの花が咲いた後にできる実(偽果)から作られるお茶。ローズヒップは「ビタミンの爆弾」と呼ばれるほどにビタミンCが多く含まれており、この多量のビタミンCが、ストレス耐性に関与するホルモンの活性を高めるという作用があり、それがリラックス効果につながります。

レモンバーベナ
レモンバーベナは南アメリカなどに分布している落葉低木。レモンのような爽やかな酸味とほのかな甘みが特徴。レモンバーベナには鎮静作用があり、神経が緊張している時やイライラしている時にはとくに効果的。うつ症状や不眠症を和らげる働きもあるため、リラックスして眠りたい人にぴったりのお茶です。

リンデン
ヨーロッパ原産の樹木であるリンデンの花と苞(ほう)を使うリンデンティー。ヨーロッパで子供が興奮して寝られないときに飲ませる習慣があるこのお茶には、神経をしずめる作用があり、緊張や不安を改善してリラックスさせたり、不眠症を改善するのに活用されています。

レモンバーム
レモンバームはシソ科の多年草。レモンバームのお茶は、レモンの香りがしても味に酸味がなく、ほんのりとした甘みがあるのが特徴。イライラや不安感などを解消する鎮静効果や神経の疲れを取るリラックス効果があり、不眠症の改善にも役立ちます。