風邪予防におすすめのお茶!ベスト3&全種紹介

■早めの対策が吉!お茶で風邪を予防しよう!

毎年肌寒い季節になると、多くの日本人がかかる風邪。「風邪は万病のもと」と言われるように、悪化すれば他の病気を併発してしまうことも。風邪を予防することは、重大な病気から身を守ることにつながり、同時に快適な冬の生活を送るためにも大切なことです。風邪の感染や進行は、からだの抵抗力や免疫力を高めることで防ぐことができます。睡眠不足や偏食などの不摂生をやめることが一番の対策。そうはいっても、やむなく生活のバランスが取れないときや、万全を期すためには、お茶で風邪を防ぐのも効果的です。健康茶の中には、ウイルスに対抗する免疫力を高めて風邪を予防するもの、熱や炎症を早めに押さえてくれるものなど、有効なものがあります。ぜひ効果的に取り入れて、風邪を防ぎましょう。

■風邪予防に効果あり!おすすめのお茶 ベスト3

1位 オオバコ茶

◎特徴:

オオバコは古くから日本全国に分布し、野原や道端に自生する身近な植物。中国医学において古くから薬草として用いられてきた植物で、日本でも生薬として日本薬局方に登録されています。

◎風邪予防への有効成分:

アウクビン、プランタギニン

◎有効成分の作用:

オオバコの茎、葉、種子に含まれるアウクビンやプランタギニンには、口腔内や気管支の粘液分泌を促進することで喉にうるおいを与えて、粘膜を保護する作用があります。そのため、オオバコからとれるお茶を飲むと、喉からの風邪を防いだり、喉風邪による痛みや咳・痰を和らげる効果があります。

◎研究データ:

実験用モルモットにカプサイシン(30μM)を吸入させることにより咳を誘発させた後、オオバコ80%アセトン抽出物を投与。投与後の咳の数から、その抑制率を測定。その結果、有意な鎮咳効果が認められました。

(出典:「モルモットカプサイシン誘発咳噺モデルを用いたローズマリー,オオバコ,ティーツリーの鎮咳効果の検討」斎藤顕宜,森田佳代 他、2003年)

2位 緑茶

◎特徴:

日本人なら誰でもなじみのある緑茶。チャノキの葉から作られるお茶は、製法や茶葉を摘む時期などによって大きくは抹茶、玉露、煎茶、ほうじ茶、番茶に分けられます。緑茶の成分のなかで最も多くを占めるカテキンが様ℤまな効果効能を発揮してくれます。

◎風邪予防への有効成分:

カテキン

◎有効成分の作用:

お茶の渋みの源であり、ポリフェノールの一種であるカテキンは、抗菌作用・抗ウイルス作用があり、通常の風邪だけでなく、インフルエンザの感染を抑制するとされています。お茶として飲むことで、カテキンが直接口腔内やのどに作用するため、効果的です。

◎研究データ:

1)高齢者(124名〉について、緑茶抽出物(総カテキン濃度200μg/mL)で1日3回うがいをした群と水でうがいをした群に関して、冬季の3か月間におけるインフルエンザの発症を比較した前向きコホート研究によると、緑茶抽出物でうがいした群では、水でうがいをした群と比較し、ロジスティック回帰分析を用いた多変量解析において、インフルエンザ罹患者が少ないことが統計学的に有意に示されています。 (YamadaH.eta. Attern.Complement.Med.12、669−672(2006))

2)ニワトリにウイルス感染4時間前から緑茶の茶葉の抽出物を加えた飼料や飲み水を与えて、インフルエンザウイルス感染に及ぼす効果を5日後に調べたところ、茶葉の抽出物を摂取していたニワトリの気管と盲腸扁桃のウイルス量は著しく減少しており、生存率においても明確な相違が確認されています。
(LeeH.J.etal.Pe“lt.Sci.、91、66−73〔2012〕)

これらのことから、緑茶が風邪の中でも最も強力なインフルエンザを予防する効果が高いことが示されています。
https://www.jstage.jst.go.jp/article/faruawpsj/49/11/49_KJ00010068515/_pdf/-char/ja

3位 エキナセア

◎特徴:

「天然の抗生物質」と呼ばれるエキナセアは、もともとは北アメリカの草原地帯に自生していたところ、画期的な薬効が注目を浴びて、現在では各地で栽培されています。ハーブティーにするとかすかな甘みのあるあっさりしたお茶です。

◎風邪予防への有効成分:

多糖類、糖たんぱく、フラボノイド

◎有効成分の作用:

エキナセアに含まれる多糖類、糖たんぱく、フラボノイド成分の相乗効果により、マクロファージの増殖と活動を活発化させ、リンパ球の働きや、炎症反応時に働くサイトカインの産生を促進させます。それにより、体内に入り込んだ風邪やインフルエンザの菌を鎮静化させると考えられています。

◎研究データ:

ヨーロッパの研究で、風邪をひきやすい人・呼吸器感染症にかかりやすい人に8週間、エキナセアを摂取させた実験では、摂取群で風邪などに感染しにくい傾向がみられたとの報告があります。また、日本の研究でも藤井文隆らによる研究で、エキナセアの製剤摂取によって免疫機能が活性化することが認められています。(2011)
https://www.jstage.jst.go.jp/article/faruawpsj/37/10/37_KJ00002925756/_pdf/-char/ja

■風邪予防に効果のあるその他のお茶

柿の葉茶
柿の若葉を煎じたお茶は、風邪にすぐれた効果を持つとして、日本では古くから飲まれてきました。柿の葉には豊富なビタミンCが含まれ、その量はレモンの20倍と言われます。ビタミンCは免疫力を高めて、体内に侵入するウイルスを防いでくれる効果があるので、風邪予防にもぴったりのお茶です。

ショウガ茶
ショウガは風邪に効果のある食材として有名ですね。そのショウガのお茶に含まれるジンゲロンやショーガオールと呼ばれるもので、これが殺菌作用に優れ、風邪をひきにくい体質にしてくれます。またショウガ独特の辛さによって汗をかき、熱を下げる効果も期待されるので、風邪の引き始めにおすすめです。

ユキノシタ茶
ユキノシタは山間部の日陰によく自生している草で、お茶の葉の有効成分は硝酸カリウムと塩化カリウム。この2つの成分には、ウイルスに対する抵抗力を強くする効果があり、風邪の予防に適しています。また咳を鎮めて、熱を下げる働きもあるとされ、風邪をひいたときにも試してみるとよいでしょう。

アロエ茶
アロエはアフリカ原産のユリ科の多年草で、医者いらずと呼ばれるアロエ。 風邪予防に有効なのは、免疫力を向上させるアロエチンと、抗菌作用のあるアロエシン、アロクチンなど。カフェインを含まないので子供や妊婦さんでも安心して飲むことのできるお茶です。

オリーブ茶
オリーブ茶は、地中海海域で広く栽培されているオリーブの葉を使ったお茶。オリーブに含まれるオレウロペインは抗菌・抗ウイルス作用が高く、ある研究では数十種類以上のウイルスや細菌に効果があったともいわれるほどで、風邪やインフルエンザの対策に効果的なお茶です。

カリン茶
カリンは中国が原産の柑橘類。カリンにはポリフェノールやトリテルペン化合物が含まれていることにより、感染症の原因となる細菌やウイルスを撃退するという働きや、感染によって生じた喉の炎症を緩和させる働きがあります。そのカリンの実から作られたお茶は、風邪予防の心強い味方です。

ハブ茶
ハブ茶には粘膜の健康維持に欠かせないビタミンAが豊富に含まれています。粘膜が健康であれば、鼻や口から入る菌を防ぐことができるため、風邪予防に効果的です。また、体力及び全身の免疫を高めるという効果を期待することができるため、風邪予防とともに体の調子を整えたい方におすすめのお茶です。

ローズヒップ
ローズヒップはバラの花が咲いた後にできる実(偽果)から作られるお茶。ローズヒップには「ビタミンの爆弾」と呼ばれるほどの豊富なビタミンCが含まれており、これが免疫力や粘膜の機能を向上させ、ウイルスや細菌、各種アレルゲンの浸入をブロックし、風邪を予防してくれます。

エルダーフラワー
古くから万能薬として使われてきたエルダーフラワー。粘液を浄化して呼吸器の気道をきれいにして、のどの痛みを和らげる、また、発汗作用を促して熱を下げるといった効果から、風邪の引き初めの治療に用いられてきました。風邪の時におすすめのハーブのお茶です。

タイム
タイムにはチモールという成分が含まれており、ハーブの中でもナンバー1と言われるほど強い殺菌効果と抗ウイルス作用を備えています。特にのどが痛いときや風邪を予防したいときには、タイムを入れたお茶として飲むのはもちろん、お茶をうがい薬として使用すると効果的です。